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祈年祭

祈年祭(きねんさい、としごいのまつり)は、
毎年3月第一日曜日に行われる宮中祭祀の小祭で、
その年の五穀豊穣などを祈る神道の祭祀である。

字音で「きねんさい」と称することが多い。この「とし」とは五穀(ごこく)のなかでもっぱら稲をいうが、
稲を主として他の穀類に至るまで成熟を祈る祭りである。

わが国の社会文化は、本来この稲作中心の農耕社会を基盤として成立しており、
春に年穀の豊穣(ほうじょう)を祈り、秋に豊作を感謝する祭り(新嘗祭(にいなめのまつり))を行うのが農耕祭祀(さいし)儀礼の基本であった。

古代では祭政一致の語が示すように、政治(まつりごと)は
生産物の収穫に基づいていたので、祭祀も重要な国家儀礼に位置づけられていた。

現在、各地の神社においては、祈年祭とは称さないが、祭りの性質上同様の神事が広く行われている。